自動車業界でも広がるかも?「指定価格制度」って?

作成日: 2025年10月31日

自動車業界でも
広がるかも?
指定価格制度とは?

指定価格制度とは?

指定価格制度とは、メーカーが商品の在庫リスクを負う代わりに、小売価格(販売価格)を決める仕組みのことです。パナソニックが家電業界で2020年に試行し始め、日立も2023年10月から一部の家電製品を対象に導入しました。

通常、メーカーが小売店に価格を指定するのは独占禁止法で禁止されていますが、この制度ではメーカーが売れ残りのリスクを負うため、違法にはなりません。

指定価格制度を採用するメリット

🏭 メーカー側のメリット

商品の価格を安定させることでブランドの信頼を守り、値下げ競争によるイメージ低下を防ぐことができます。価格が一定になることで、長期的な商品企画や改良にも集中しやすくなります。

🏬 販売店側のメリット

在庫リスクをメーカーが負担するため、売れ残りを心配せずに販売できます。無理な値下げや過剰な仕入れに追われることも少なくなります。

🚗 お客様のメリット

どの店舗でも同じ価格で購入できるため、安心してお店を選べます。価格差を気にせず、信頼できる販売店を選べる環境が整います。

注意点

💡注意点

この制度を採用すると自由な値下げやセールは出来なくなります。そのため、接客・アフターサービス・提案力など、価格以外の価値でお客様に選ばれる工夫が必要になります。

自動車業界の採用例

アメリカの自動車メーカー ゼネラルモーターズ・ジャパン(GMジャパン) は、電気自動車「キャデラック・リリック」の販売に、新しい仕組みである「エージェントモデル」を導入しました。

この制度では指定価格制度と同様、メーカーが価格を一律に決定します。メーカー側が車両を直接管理し、全国どこでも同じ価格で販売され、ディーラーは在庫を持たずに済みます。
リリックはおよそ1,100万円と高額なモデルで、需要の見通しも難しいため、販売店が在庫を抱えるリスクを減らすことが目的です。

こうした仕組みは、在庫負担を軽くしながら価格を統一できる点で、今後の自動車販売の新しい形として注目されています。

参考サイト

自動車業界の役立つ情報を配信中 メルマガ会員登録はこちら