自動車整備工場がコスト増を乗り越えるために今できること

作成日: 2023年12月15日

~代車の有償貸出について。お客様に納得いただくことは出来るのか~

作成日:2023年12月18日

1.コスト増による様々なサービスの値上げ

近年様々なサービスで価格改定が行われ、10%~35%程度の価格増が行われています。

例)最近の有名サービスの価格改定
サービス名 価格改定
Apple Music 10%増:月額980円から1,080円
クラウドサービスの
サービス維持調整費
10~20%程度追加
microsoft office 8.7%~16%増:2023年、20%増:2024年法人向け
Amazonプライム 20%増:年会費4,900円 → 5,900円
ハガキ・封書などの郵便料金 30%増
PlayStation Plus 32.2%~36.0%増
その他、食品・電気・ガスなども価格改定により値上げが行われています。
ガソリンは2020年5月頃は120円/L程度でしたが、2023年現在、170円/L程度になっています(40%増)

2.会社の存続のために。代車を経費負担のサービスから、収益アップの商品に

これまで、整備工場では代車を無償サービスとして提供し、維持管理費などは整備工場側の経費負担となっていました。しかし、ガソリン代をはじめ、様々な経費が爆上がりしている今、会社の存続のために代車の無償貸出をやめ、有償で貸し出す整備工場様が増えています。

代車を有償で貸し出すためには、2つの準備が必要です。
  1. レンタカー許可を取得
  2. 代車をレンタカー(わナンバー)登録する

経費削減と経営改善を図るために、代車をレンタカー(わナンバー)に変えて有償貸出することは、日本自動車整備商工組合連合会全国自動車整備協業協同組合協議会でも紹介されているポピュラーな方法です。

一般的に、リース代車とレンタカー代車は維持費にほぼ差はなく、代車のレンタカー化を早く始めた方がメリットが多いと言われています。

補足
レンタカー登録したら必ず有償で貸出しないといけないわけではありません。有償で貸出が出来ない場合は無料で貸出しても問題はありません。

3.どれくらい売上が出せるのか

車検で代車を貸し出す場合は日数はそれほど長くないかもしれませんが、鈑金修理など時間がかかるものは代車を貸し出す期間も長くなります。

●貸出による売上
例)ドアの修理など
・1日5,000円で1週間貸し出した場合:5,000円×7日=35,000円
例)フレームのゆがみなど
・1日5,000円で1か月貸し出した場合:5,000円×30日=150,000円
当然ですが、期間が長ければ長いほど大きな売上になります。


●免責補償オプションによる売上
お客様がレンタカーで事故した場合の支払いを免除する補償オプションを整備工場で用意すれば、その分の売上も発生します。免責補償オプションは何もなければ丸ごと利益となります。しかし、オプションをつけたお客様が事故した時に保険免責金額を整備工場が負担することになるリスクがあります。
知り合いの整備工場では10年で数回程度しか保険利用の事故はないそうで、利益が見込めると考え免責補償オプションを行っています。 オプションの用意は必須ではありません。地域によって事故の多い・少ないがあると思いますのでご検討ください。
免責補償オプション
・1日1,500円で1週間貸し出した場合:1,500円×7日=10,500円
・1日1,500円で1か月貸し出した場合:1,500円×30日=45,000円

4.代車の有償化にお客様は納得できるのか(事例紹介)

他の有名サービスも値上がりしている今なら「仕方ないよね」と納得いただける方もいらっしゃるかと思います。しかし、大きな金額ですので、今まで無料だったのに…と納得いただけない方も当然いらっしゃると思います。

知り合いの整備工場によると、今から記載する工夫で
ほとんどの方に納得いただけているそうです。
※真似して良いそうです。

工夫①
整備代車としてレンタカーを貸し出す前に、お客様が任意保険のレンタカー特約に加入しているかどうか確認する。加入してる場合は特約請求し、加入していない場合は特約に入ることをお客様におススメする。
>>>クリックで詳細を展開<<<

工夫②
代車がレンタカーになることによるお客様のメリットもしっかり説明する。レンタカーは任意保険に入っているので万が一の事故の際に免責の支払いだけで済む。

>>>クリックで詳細を展開<<<

※これらは特定の整備工場による事例であり、効果を保証するものではありません

5.レンタカー業の始め方は3種類あります

道路運送法 第八十条
自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない。ただし、その借受人が当該自家用自動車の使用者である場合は、この限りでない。

皆様ご承知の通り、許可を取らずに工場代車を有償で貸し出すのは法律違反です。有償貸出するためには、自家用自動車有償貸渡業の許可(=レンタカー業を始めるための許可)が必要です。

選択肢は3つあります。それぞれの特徴、メリット、デメリットを説明します。

【 選択肢1】自社で自家用自動車有償貸渡業の許可をとる

申請書を作成し、管轄する運輸支局の担当窓口(輸送・監査部門)に申請することで許可を取ることが出来ます。

◇メリット:
・追加の手数料が発生しません。

デメリット:
・許可を取るまで時間がかかります。
・比較的難しく、準備の途中で許可申請をやめてしまう方も多いです。
・レンタカー車両の登録についても自分で調べて行う必要があります。
・始めた後の運用は自分で行う必要があります。

自家用自動車有償貸渡業の許可をとるまでの流れ
  • 1

    自家用自動車有償貸渡業の許可に関する運輸支局のページにアクセス
    管轄の運輸支局をこちらでご確認いただき、レンタカー許可のページにアクセスします。
    全国運輸支局等一覧|自動車検査登録総合ポータルサイト|国土交通省 (mlit.go.jp)
    関東の場合…レンタカー – 関東運輸局 (mlit.go.jp)
  • 2

    資料を読んで、許可要件・基準を満たしているのかを判断する
    整備管理者の選任が必要かどうかも判断し、必要があれば整備管理者選任の届出も行います。
  • 3

    仕事の合間に書類を作成、必要資料を準備する
    慣れていないと比較的難しいと言われています。準備に約1ヵ月程度かかる可能性も。
  • 4

    運輸支局まで書類を提出しに行く
    運輸支局に行く必要があり、遠い場合は往復合わせて100kmなど…(約2時間)
    書類に不備があって補正が発生すると、都度運輸支局まで足を運ぶことになります。
    申請からの書類審査の期間は概ね1ヶ月程度ですが、申請が多い時期は審査に1か月以上かかる場合もあります。
  • 5

    審査完了後、運輸支局より連絡
  • 6

    許可書の受領のため、再度運輸支局の窓口に行く
  • 7

    窓口で担当官より、許可証の他、登録免許税の納付書などを受領
  • 8

    銀行などの金融機関で 登録免許税(9万円)を納付
  • 9

    領収証書を運輸支局の窓口に提出

【 選択肢2】 行政書士に許可申請を代行してもらう

レンタカーの許可を自分で取ることに不安がある場合は行政書士に依頼することも可能です。
注意点としては、レンタカー許可申請に弱い行政書士も存在すること。行政書士ならどこでも大丈夫というわけではありません。値段がはっきりしている、レンタカー許可を専門にしてるかなど確認 が必要です。
報酬として約5万~11万程度のお支払いが発生します(代行範囲や、事務所によって異なります)。つまり、 運輸支局に納付する登録免許税(9万円)と合わせると約14万~20万になります。

◇メリット:
・登録手続きに慣れてる人に登録処理を代行して貰えるので安心。
・自分で手続きするよりも大幅に時間短縮できる。

◇デメリット:

・自分で許可を取るより費用が発生します。
・レンタカー許可に弱い行政書士だと時間短縮が出来ない・アドバイスを間違う可能性があります。
・レンタカー車両の登録については範囲外の行政書士が多いです。
・ 始めた後の運用は自分で行う必要があります。

【 選択肢3】フランチャイズ加盟する

フランチャイズ加盟ならそもそも自家用自動車有償貸渡業の許可を取る必要がありません。許可を取らなくてもレンタカーを取り扱えるようになります。
運用を始めた後の相談先がある、会員サイトでノウハウや他社の成功事例が見れる、案内チラシを印刷できる、スタートキットがあるなど、許可を取った後も安心です。
ただし、加盟料に数十万円、月額費用で3万~8万程度発生します。
運輸支局に納付する登録免許税(9万円)は発生しませんが、加盟先に支払う料金が発生します。

◇メリット:
・自家用自動車有償貸渡業の許可を取らずにレンタカーを取り扱える。
・レンタカー車両の登録についても相談できる。
・会員サイトで他社事例やチラシの印刷等が可能。
・スタートパックがあるので始めやすい。
・運用を始めた後の相談先がある。

◇デメリット:

・自分で許可を取るより費用が発生します。

まとめ
まとめると、自分で許可を取るのが一番お金がかかりませんが、時間・手間が最もかかる上に、レンタカー車両登録や運用は全て自分で調べながら行う必要があります。行政書士に代行してもらえば値段はかかりますが手間は減り、安心して許可申請することが出来ますが、レンタカー車両登録や運用は自分で行う必要があります。フランチャイズ加盟ならレンタカー車両登録もわナンバービジネス開始も運用も安心ですが、他の手段よりもお金がかかります。

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