2028年4月導入目標
自動車税と重量税が統合
経産省が自動車の保有税案を公表
経済産業省が、自動車の税金(保有時にかかる税)を大きく見直す案を発表しました。2028年4月からの導入を目指している新制度で、自動車税と重量税を一つにまとめる内容です。
“自動車の保有税”案 内容
◎ 車を買うときの「環境性能割」は廃止
◎ 自動車税(種別割)+重量税 → 1つの“新保有税”に統合
現在は、❶車の購入時に消費税と自動車税(環境性能割)を支払い、❷毎春に自動車税(種別割)、❸車検(自動車検査)時に自動車重量税を支払う、複雑な仕組み。
経産省案では、このうち 消費税と重複する1の自動車税(環境性能割)を廃止 し、2の自動車税(種別割)と3の重量税を統合します。毎年払う税金と、車検ごとに払う税金が一本化されて“よりシンプル”になります。
保有税 変更内容 イメージ
| 案の内容 | \ 廃止 / | \ 統合(一本化)/ 現在の自動車税に近い形(納税通知書など)で徴収する想定 |
|
|---|---|---|---|
| 現在 | ❶ 車の購入時 | ❷ 毎春 | ❸ 新規登録+車検 |
| 自動車税(環境性能割) | グリーン化特例 + 自動車税(種別割) |
エコカー減税 + 自動車重量税 |
|
| 現在の 税金詳細 (登録車) |
【都道府県税】 取得価格 × 0~3% ※燃費性能などで異なる |
【都道府県税】
総排気量に応じて
25,000円(1,000cc以下)~ 110,000円(6,000cc超) ※13年経過のガソリン車、LPG車(ディーゼル車は11年経過)は概ね15%重課 ただし、電気自動車等は対象外 |
【国税】
車両重量(0.5トン毎/年)に応じて 2,500円(エコカー/本則税率)
4,100円(非エコカー) 当分の間税率5,700円(14年経過車) 6,300円(18年経過車) |
| 現在の 税金詳細 (軽自動車) |
【市町村税】 取得価格 × 0~2% ※燃費性能などで異なる |
【市町村税】 年額 10,800円 ※13年経過車は概ね20%重課
ただし、電気自動車等は対象外 |
【国税】
定額/年 2,500円(エコカー/本則税率)
3,300円(非エコカー) 当分の間税率4,100円(14年経過車) 4,400円(18年経過車) |
新保有税額の調整内容
□ 登録車(660cc超)
- 車重で税額を決定 : 0.5トン刻み(重い車ほど高くなる)
- 燃費で増減 : 30年度燃費基準の達成度に応じて調整
□ 軽自動車
- 車重の差が小さいため、燃費達成率だけで税額を調整予定
□ 補足
- 燃料電池車(FCV): 30年度燃費基準がない&普及途中のため優遇
- 税収への影響 : 現在と大きく変わらないよう設計予定
何故変わるの?
電動化の進展で、排気量をベースとした自動車税では公平性が保ちにくいため。
また、複雑になりすぎた車体課税を簡素化する狙いがあります。
納税タイミングはいつになるの?
現在は、自動車税は毎年4月に納税し、重量税は車検時に納税しています。
統合後は、自動車税の方に近い仕組みで新保有税を徴収することを念頭に置いているとのことです。車検時に納税ではなく、納税通知書などで納める可能性が高いです。現時点では何月になるかは未定です。
導入までの2年間(~2028年3月)について
- 現行のエコカー減税&グリーン化特例は延長予定
- 環境性能割は先に廃止予定
→ 新車の買い替えを促す狙いもあり
→ 国内販売の下支え策としても位置付けられています
整備工場・販売店として注意すべきこと
- 車検時の見積りから重量税が消える
- 車重・燃費基準が“税額の決定要素”になるため、接客説明が変わる
- 新車販売では、環境性能割の廃止がメリットになる場面も
制度の細部は今後調整される可能性があるため、
2027~2028年にかけて実務への影響をしっかり確認する必要があります。
経済産業省『令和8年度 税制改正に関する経済産業省要望の概要』資料






出典:経済産業省『令和8年度 税制改正に関する経済産業省要望の概要』令和7年8月(9〜14ページ)
https://www.meti.go.jp/main/yosangaisan/fy2026/pdf/03.pdf#page=9
参考サイト
経済産業省ウェブサイト — 税制改正案に関する資料
