2026年10月見直し案
訪問整備の認証工場へ
12カ月点検も対象に
顧客の駐車場などに出向いて整備を行う「訪問特定整備」。その作業範囲が、さらに広がる見通しです。
国土交通省は、これまで事故・故障時などに限られていた「限定訪問特定整備」を見直し、12カ月点検や点検に伴うブレーキパッド交換などを認める方針を示しました。ただし、現時点では改正案の段階であり、新しい作業範囲がすでに認められたわけではありません。
概要:訪問先でできる整備を拡大
訪問特定整備は、認証工場が一定のルールに従い、事業場以外の場所で特定整備を行える制度です。このうち「限定訪問特定整備」は、認証工場と同じ設備がない場所でも、安全性などを確保して一部の作業を行う仕組みです。
1. 12カ月点検を訪問先でも実施可能に
従来は事故・故障などに伴う修理を想定していましたが、今回の見直しでは法定点検も対象に加えます。対象車両は小型車・中型車までとし、大型車は安全確保が難しいことから追加対象外とする方針です。
2. 点検時のブレーキ交換も対象に
12カ月点検に伴うディスクブレーキのパッド交換に加え、ドラムブレーキのライニング交換も対象に含める方向です。事故・故障時のライニング交換についても対象拡大が検討されています。
3. 作業場所や安全対策に追加要件
新たな作業を認めるにあたり、作業面積、安全装備、安全衛生教育、周辺環境への配慮などの条件を設ける方針です。中型車のブレーキ交換では、作業人数や工具にも追加条件が示されています。
スケジュール
- 2025年6月30日:訪問特定整備制度が施行(制度の適用開始)
- 2026年7月21日:規制改革実施計画を閣議決定
- 2026年10月13日:国土交通省の検討会で制度見直し案を提示
- 2026年10月23日:日本自動車会議所が見直し方針を報道
今後はパブリックコメント(一般からの意見募集)などを経て、実施規程の改正が進められる予定です。改正の施行日は現時点で未定です。
背景:制度の利用が進んでいない
現行の限定訪問特定整備は、事故・故障時などに用途が限られており、利用実績が非常に少ない状況です。そこで国土交通省は、定期点検にも利用できるようにすることで、制度の活用を広げようとしています。
現場対応のポイント
訪問整備を実施している、または導入を検討している認証工場は、国土交通省が示した次の条件を確認しておく必要があります。いずれも改正案に示された内容であり、最終的な要件は今後の正式な規定で確認してください。
- 作業スペースを確保できるか:中型車のブレーキ交換では、幅4m×長さ6mの作業面積が案に示されています。
- 作業人数と工具を確保できるか:中型車のブレーキ交換では2名での訪問作業と、タイヤドーリー・インパクトレンチの準備が示されています。
- 安全対策と教育を実施できるか:安全ヘルメット、安全靴、蛍光ベストの着用、安全作業マニュアルの整備・教育、休憩場所の確保などが追加要件案に含まれています。
- 訪問先の周辺環境に問題がないか:コーンやロープによる作業区域の明示、騒音への配慮、住居専用地域での作業制限などが示されています。
なお、現在の訪問特定整備制度にも、整備主任者による指示や訪問整備士の届出などのルールがあります。既存制度と今回の追加要件を混同せず、正式な改正内容を確認することが重要です。
参考サイト
- 国土交通省|第33回 自動車整備技術の高度化検討会・資料6「訪問特定整備制度の見直し」(2026年10月13日)
- 国土交通省|訪問特定整備制度の見直し・検討会資料6(2026年10月13日)
- 国土交通省|訪問特定整備制度について


